自己破産

自己破産手続きの流れ

「破産」という言葉にマイナスなイメージをお持ちの方は多いと思います。たしかにプラスなイメージがあることではないかもしれませんが、自己破産は「前に進む」という意味ではとてもポジティブなことです。本記事では、借金を返せなくなってしまった場合に裁判所に申し立てることで借金返済を免除してもらえる自己破産手続きの流れについて解説しています。自己破産を検討中の方は、ぜひ読んでみてください。

・目次

自己破産手続きの流れ

自己破産手続きのバリエーション

同時廃止事件

管財事件

少額管財事件

自己破産手続きの詳しい流れ

司法書士や弁護士を探す

受任通知

申し立てをする準備

破産手続きの開始と裁判官との面接

免責確定

自己破産手続きにかかる費用

 

Contents
  1. 自己破産手続きのバリエーション
    1. 同時廃止事件
    2. 管財事件
    3. 少額管財事件
  2. 自己破産手続きの詳しい流れ
    1. 司法書士や弁護士を探す
    2. 受任通知
    3. 申し立てをする準備
    4. 破産手続きの開始と裁判官との面接
    5. 免責確定
  3. 自己破産手続きにかかる費用

自己破産手続きのバリエーション

自己破産手続きには「同時廃止事件」「管財事件」「小学館在事件」という3つのバリエーションがあり、借金額や資産額などの状況により異なる方法で手続きをします。

同時廃止事件

同時廃止事件は、債務者に債権者が分けるほどの財産が残っていないケースで用いられる手続きです。破産管財人による調査等がなく、自己破産手続きの中では費用もあまりかからない手続きです。自己破産手続きの多くは、この同時廃止事件として扱われています。

管財事件

管財事件は、債務者が借金を作った理由に問題があるケースや、債務者がある程度以上の財産を持つケースで用いられる手続きです。ある程度以上の財産に関しては没収されるほか、予納金を納めなければなりません。法人の場合は、この管財事件として扱われるのが普通です。

少額管財事件

予納金を納める額が少ない管財事件を少額管財事件と呼びます。少額管財事件は、すべての裁判所で用いられているわけではありません。借金の状態も債権者の数もそれほど多くなく、弁護士がついていることが条件になります。

自己破産手続きの詳しい流れ

自己破産手続きにはバリエーションがあるものの、実際の手続きの流れはほとんど同じです。ただし、管財事件や少額管財事件については、免責が認められるまでに行われる手続きが多くなるため、手続き期間も長引きます。

司法書士や弁護士を探す

自己破産手続きは、司法書士や弁護士などに相談することから始まります。司法書士や弁護士に相談する際は、債務整理を得意としていることを条件にしましょう。司法書士や弁護士はそれぞれ得意分野を持っています。専門外の事務所に依頼するよりも安心できます。

相談することにより自己破産が可能だとわかった場合は、依頼します。事務所によっては着手金が必要なケースもあります。

受任通知

受任通知は、司法書士や弁護士が債務者からの依頼を受けて自己破産手続きを始めることを通知する文書です。法的効力を持つ受任通知を司法書士や弁護士が送った段階で、原則として借金の督促はストップしますので、債務者は借金の支払いから解放されます。

申し立てをする準備

自己破産を裁判所に申し立てる準備には、通常、4~6ヶ月ほどかかります。自己破産手続きでもっとも大変なのはこの時期です。自己破産の申し立てるには、通帳や収入の明細など数多くの書類を用意しなければならず、準備には特別な知識が必要です。

自己破産を申し立てる本人は、司法書士や弁護士の指示どおりに行動するだけで問題ありません。もちろん、数多くの資料を用意しなければならないので、本人もそれなりに忙しくなります。

すべての書類の準備が終わったら、申し立てる本人の住所地を管轄する裁判所に自己破産を申し立てます。

破産手続きの開始と裁判官との面接

自己破産の申立書を裁判所に提出すると、同時廃止事件、管財事件、少額管財事件のいずれかの方法により自己破産の手続きが始まります。債務者本人が裁判所に出廷して裁判官と面接が行われる場合があります。この面接の場で、自己破産を申し立てることになった理由を説明します。面接で問題点を指摘されなければ、借金の返済を免除(免責)してもらえるか審理されます。

管財事件や少額管財事件の場合は、このあとに破産管財人が選ばれ、所有財産の処分や管財人面接、債権者集会などが進められることになります。

免責確定

同時廃止事件の場合は、手続きが始まるとそのままスムーズに手続きが進みます。ただし、免責が確定するまでは借金の返済義務がなくなったわけではありません。免責が確定する前に、免責審尋(めんせきしんじん)という形式的な面接が行われる場合もあります。その後、2週間程度が経過して免責許可決定が出ると、この段階で免責が確定します。

順調に自己破産の申し立てが終わり、手続きが始まったとしても、財産の申告などに偽りがあると、免責が許可されないこともあります。ただ、このようなケースはとてもめずらしく、自己破産の申し立て全体の2%程度にすぎません。

自己破産手続きにかかる費用

自己破産手続き(同時廃止事件)には当然お金がかかります。しかし、そのほとんどは弁護士や司法書士に依頼するためにかかるお金です。同時廃止事件の場合は予納金や実費などを含めても30万円~40万円程度用意できれば、手続きを依頼できるでしょう。多くの司法書士や弁護士が分割での支払いを受け付けています。

 

自己破産など借金問題に関することは、大阪借金整理相談所(天馬司法書士事務所)までお気軽にご相談ください。